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自分で悟らねばなりません‘悟るということは,自分にあるので,自分の腹中をよく眺め,自分というものはどこから出てきたものであるか,また自分は何事をなすべきか,よく自分を知るということが自分に課せられた天の使命であります。そして我々が過去をふり返って見て,皆さんが喜んで稽古している姿を見たらこれ程幸福なことはないと思います。
此の世の明るい世界は,一元の神の営みの全徳のあらわれであります。我々もこの仲に入っている,この営みの世界に,この歴史この生命線は絶え間なく,昔よりこの究極に到って造られている,ということを思わねばなりません。自分というものをよく知ること,これが大切であります。今,私がやっております合気道とは,人をこさえる道,心身鍛錬の道であります。人をなぐったり,邪剣をふりまわして人を殺す道ではありません。これをよく皆さまもお考え下さるようお願い申し上げます。
道文
合気の稽古はその主となるものは,気形の稽古と鍛錬法である。気形の真に大なるものが真剣勝負である。武道に於ては本来いわゆるスポーツ的試合はない,試合うとすれば生死をかけた試合となる。しかしながら徒らに勝負を求める事は大きな間違いである。実に破壊殺傷は人生の一大罪悪である。
我が国に於ける古よりの武道に対する立法は殺す勿れ破る勿れであった。(神武不殺)我が国の真の武道は大きく和するの道であり,心身のみそぎである。天の規則を地上に打立て人が行ってまず自己をこしらえ万物を護るのが武の掟である。然るに今時の武を講ずる人は往々にして日本の真武を知らず中古よりの覇道的武道におちいっている事を悲しむ。
言忘録(抄)
○合気道とは和合の道であります。すなわち一霊四魂三元八力の生ける姿,宇宙経倫の生命であります。この手の中にもその経倫は含まれています。皆さんの身心にも,一家族の中にも,高天原が含まれています。その条理が胎臓されているのです。私達は顕幽神の

 

 

 

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